調査報告:株式会社 巻組
調査実施日時
2024年3月7日(水)13:00〜15:30
調査先情報
名称:株式会社 巻組
住所:宮城県石巻市中央2丁目3-14
ホームページ:https://makigumi.org/
調査参加者
高畑(琉球大学)
概要
・東日本大震災後に東北に入った渡邉氏は、震災が人口減少に拍車を掛けていたこと、東北や復興に関心ある人には物件の従来の賃貸方式では利用しにくいことなどを見て、すぐに入れることや入居期間が選べること、また物件の活用法として共創型の使用法を目指し、従来の大家と住人という関係者に、支援者と利用者という関係者を加えた運営方法を設定した。これにより、手続きや金銭面で入居がしやすくなり、週末だけ住人となり物件を使用する人や(労働人口を増やす)若い移住者も増え、使用者同士の関係も構築され、さらに一つの物件を共同で使用する人たちのコミュニティに国内外の企業も物資等の支援をするということも起きている。
・資産価値の低い空き家は巻組が買い上げ、ミニマルなリノベーションを施し、大家(巻組)、利用者、支援者、住人によるコミュニティが作られる。ここではトークンを持って参加するDAOメンバーが利用者となり、メンバー同士の議論や投票によりシェアハウスとしての物件のルールや予算の使い方を決定する。巻組はシェアハウスの運営会社(大家)としてハード・ソフト両面で支援する。物件の運営には、地域住民にも関与させる方針をもっている。
・利用者はNFTも使用しており、コミュニティはオンラインで形成されている。事業展開が新しい経済と繋がることで、建築や不動産事業に新しい展開をもたらそうとしている。
・住人にはアーティストも多く、一つの物件に安い家賃で入居して地元の産業に従事してそれを主たる収入源とし、また別の物件で共同の住人となり、その場所を住人同士の共同のアトリエ(アートを共同制作するわけではない)としている人たちもいる。
・企業や大学生と地域課題の解決に取り組むインターンシップも行っており、代表の、震災復興に貢献したいという意図を実現するものとなっている。
・もともとの物件所有者とは、入居している場合には物件の定期的メンテナンスを、所有だけの場合には運営も兼ね、所有者が逝去した場合には所有権を巻組が譲渡されるという仕入れ方法も取っている。
備考
https://makigumi.org/