調査報告:北鍵屋公園パークアップ事業

調査実施日時

2025年6月20日

調査先情報

名称:北鍵屋公園運営委員

住所:京都府京都市伏見区深草北鍵屋町990−3

ホームページ:

調査参加者

服部圭郎(龍谷大学政策学部)

概要

京都市では現在、大小合わせて約950の公園を維持管理しており、都市の魅力、活力、憩いを生み出す空間として、日々、市民の皆様に利用してもらっている。一方で、遊具等施設の老朽化や公園愛護協力会の高齢化・担い手不足、また、多様化する公園利用者のニーズへの対応といった課題を有する公園も多くある。
 このような現状を踏まえ、京都市では地域が主体的に公園を管理運営することを前提に、行政が定めた画一的な利用ルールによる管理ではなく、地域合意のうえ、地域の実情にあった運営方針や利用ルールを定めることができる新たな公園運営の仕組みづくりに取り組んできている。
 新しい仕組みを作るうえでは、行政だけでなく、既存の枠組みにとらわれない民間の柔軟なアイデアや大胆な発想が必要と考え、京都市と共同研究をする民間企業等を公募。そこで、公募により選ばれた株式会社セブン-イレブン・ジャパンと、取組に賛同頂いた藤森学区の方々と共に令和4年8月に北鍵屋公園をモデルとして共同研究をスタートした。
 令和5年4月には、自治会等に参加する住民やワークショップ及び現地イベントに参加いただいた子育て世代、公園に隣接する住民などの12名に、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、本市を加えた3者からなるプロジェクトチームを設立し、地域交流施設や店舗の大きさ、配置、使い方、公園の広場や遊具の配置などの話し合いを重ねるとともに、この取組みを地域に広く周知する実証実験「きたかぎ屋オープンパーク」を実施した。
 現在、この共同研究を通し、新たな公園運営モデルとして創設したPark-UP事業の活用第1号として、公園運営委員会が設立され、サポート団体である株式会社セブン-イレブン・ジャパンと連携し、更なる公園の魅力向上に取り組んでいる。
 北鍵屋公園プロジェクトチームの取組を発信するニュースレター「北鍵屋公園(通称:消防公園) NEWS LETTER」を発行している。
 ビフォア・アフター的な比較だと、以前は次の課題があった。
*虫が多くいた
*不潔であった
*治安上の危険。木が生い茂ったり、死角にもなるところがあった。
*暗い。不審者も多く以前は出ていた。
 これらは空間のデザインの仕方で大きく改善することが可能で、現在は上記の問題はなくなった。
 この運営に携わっている人達からは、他で参考にするうえでは次の点に留意すべきであるとの指摘を聞いた。
*地域がやる気がないと無理。行政に待ってもらっていたら無理。
*商店街に若くてしっかりしている人が多いので上手くいった。
*もうちょっと行政手続きなど、専門的なところを京都市や企業にやらせることが必要。一般住民にそれをやらせるのは無理。書類をつくるのは非常にきつい。

備考

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