調査報告:沖縄商工会連合会
調査実施日時
2024年2月28日(火)14:00〜15:00
調査先情報
名称:沖縄商工会連合会
住所:大濱信泉記念館 沖縄県石垣市登野城2-70
ホームページ:https://yorozu-okinawa.go.jp
調査参加者
畑中寛(琉球大学)、大石尚子(龍谷大学)新川達郎(Colpu)、富野暉一郎(Colpu)、宮本文(Colpu)、坂本未希(Colpu)
概要
石垣島の商工会職員であった平田氏が手がけた地域活性化プロジェクトについて紹介をいただいた。地域通貨の導入、ご当地フレグランスの開発、クラウドファンディングの活用など、成功しているプロジェクトもあれば自然消滅したプロジェクトもある。失敗を恐れずに次々とチャレンジし、補助金を上手く利用しながら、民間企業とも連携して地域にお金を落とす仕組みづくりを心がけていたということだった。以下は具体的に手がけたプロジェクトである。
・石垣島通貨の電子マネー化
既存のもので、子どもにもわかりやすい名称であるアトム通貨を導入した。重要なことは、事前の地元への説明や合意形成。1年かけて社会実験を行なった。
・パイナップルの加工販売の仕組みづくり
特産品であったパイナップルであるが、加工工場が閉鎖されたことから、共同で加工する場を失っていた。それを復活させ地域ブランドにするため、給食への導入や農福連携による加工販売の仕組みを作った。
・イオンとのコラボカードの導入
イオンカードで買い物をすると、その1%が石垣市に寄付される仕組みを構築した。
・ふるさと納税を活用した学校施設の改修
・クラウドファンディングを活用した地場産品の販路開拓
・リゾートウエディングなど新たなサービス産業の立ち上げ
ウエディング事業は、多岐にわたるビジネスを生み出す。資生堂とコラボしてご当地香水を開発するなど、新しい地場産業を生み出した。
起業する際の工夫や成功要因については以下の通り。
・アイディアを生み出すためには、発想法を学んだ。
・性格的に、一つのことに執着するのではなく、多数のプロジェクトを並行して進めることによって新しいアイデアが生まれるなど、相乗効果がある。
・人材の確保は重要だが、見つけるために、自身の身分を利用し(商工会の名前)補助金を利用して民間企業と連携することで人材発掘を行なった。
・社会性を保ために、個人の成果にしないことに気をつけた。
・大学院での学びの必要性はある。特に経済効果測定など。
・メディアに取り上げられることによって社会的評価を受けていることが計れる。
・発展させていくためには、新しいプロジェクトを立ち上げるチャンスを見逃さないことが重要。