調査報告:ヘラルボニーと関連団体

調査実施日時

2024年3月6日(水)13:00〜15:30

調査先情報

名称:ヘラルボニーと関連団体

住所:(本社)岩手県盛岡市開運橋通2-38

ホームページ:https://www.heralbony.jp/

調査参加者

高畑(琉球大学)

概要

・ヘラルボニー本社において、広報の矢野氏にヘラルボニーの経緯と概要を伺ったところ、創業者である二人の代表取締役のうち、兄の方が学生時代に出会った小山薫堂氏に師事し同氏の事務所に勤務し、弟の方が東北で建築会社に勤務していた最中、東日本大震災を契機として、弟の方が震災復興のための新しい事業を目指し兄と合流して前身の会社をつくり、事業の展開を目指しヘラルボニーを創業したということである。その際、二人の兄が障がい者であり子どもの頃から差別を受けてきたということが、二人が障がい者アートを展開し、障がい者の障がいを「異彩」として世に問うこととなった。
・様々な事業を展開する中でも、主力であるアートを活かした商品については、障がい当事者である作家と契約し、その成果をデータとして、ヘラルボニーの方で、作品そのものではなく、京都の西陣織のように、データを活かした商品を製造・販売している。
・ヘラルボニーの事業とコラボしたい企業も多く、訪問の数日前まで本社ギャラリーでは、同じく震災後に立ち上げられた高級アイルランドセーターを製作販売する気仙沼ニッティングとコラボした作品(1枚60万円)の展示と販売が行われていた。
・ヘラルボニーの事業の広報と成果の社会的還元の両方を狙い、東北だけではなく国内各所での大型の屋外展示や公共バスなどへ作品や作品のデータを利用している。
・本社から歩いて数分にあるデパート川徳百貨店には、唯一の常設店舗が入っており、そこでは、ヘラルボニーの事業に賛同・共感する人びとが遠隔地から訪れ、高額な商品を購入している。ただし、売れ筋は、3000円台のハンカチである。また、店舗スタッフもヘラルボニーの社員であり、地域限定正社員として二人で担当している。
・本社から徒歩20分強のところにあるバスセンターは、建て替えの際にヘラルボニーのアートを工事柵の壁面に展開し、建て替え後の壁面の一部にヘラルボニーのロゴとアートを施している。また、建て替え後のバスセンター3階に入ったホテル・マザリウムでは、34室のうち7室がヘラルボニーの部屋として、それぞれ別の作家によるアートが展開されており、人気を博している。

備考

https://www.heralbony.jp/